わきが・多汗症
ワキガ症とは
「わきが」は、医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」といいます。
ワキの下には、
汗の分泌腺(エクリン腺)、皮脂(あぶら)の分泌腺(皮脂腺)、アポクリン腺という、わきが特有のニオイの原因となる分泌腺があります。
アポクリン腺が発達している方は、わきが特有のこの臭いニオイが強くなり、「わきが症(腋臭症)」と診断されます。
「腋臭症」の原因には遺伝性が高く関係し、早ければ10代前半(ちょうどワキ毛が生え始める頃)から症状が出始めます。
ですから、ご両親のいずれかが「腋臭症」の場合、そのお子さんは約50%に発症すると言われています。
ニオイの他にも、色の薄いシャツのワキの下が黄色くなることが多い、耳垢がたいてい湿っている(外耳道のうぶ毛が生えている部分にもアポクリン腺が存在するため)、といった経験がある場合は、それを原因として「腋臭症」の可能性が強くなります。
多汗症とは
ニオイが特に強いわけではなく、汗の分泌量が多いものを「多汗症(たかんしょう)」と言います。
脇の汗が多い方、気にするかたが多いですが、「多汗症」はワキの下以外にも、手の平や足の裏、顔などにも起こります。
緊張やストレス、環境の変化、ホルモンバランスの変化など、さまざまな原因があります。
特にワキの下は、身体と腕が閉じた状態が多く、汗をかきやすい場所の一つです。
わきがと多汗症は、同一のものではなく、多汗症の人がすべて臭いが強いということではありません。
ワキガ症・多汗症の治療
ボツリヌストキシン製剤注射
眉間の縦ジワや笑いジワなどの表情筋のオーバーな動きを抑えるボツリヌストキシン製剤注射は、汗などの分泌腺の働きを抑える効果もあります。
表情ジワのボツリヌストキシン製剤注射と同様に、脇汗を抑える対策として極細の針で数箇所注入するだけですので、10分程度の施術で、日常の注意点やダウンタイムはほとんどありません。
1回の施術でだいたい3~4ヶ月効果が持続します。気になる時期だけ汗を抑えたいという方に適しています
反転剪除法(はんてんせんじょほう)
反転剪除法(はんてんせんじょほう)とは、ニオイや汗の原因になるアポクリン腺やエクリン腺を外科的に除去する方法で、最も効果の高く半永久的な方法です。
毛乳頭(毛根)も大部分取り除かれるため、ワキの毛の永久脱毛効果もあります。
局所麻酔で1時間半程度の日帰り手術で、ワキの下のシワに沿った3~4cmの切開線から、不要な分泌腺を取り除きます。
直接目で確認しながら取り除ける唯一の方法で、再発はほとんどありません。
施術後3日間ワキの下をガーゼとテープで固定し、1週間から10日後に抜糸します。術後1ヶ月程度は腕を挙げる時に突っ張り感が続きますが、日常生活にはそれほど支障はありません。
傷あとは、最終的にはワキの下のシワと同化しますので、かなり目立たなくなります。
1回の治療で済ませたい方や、多汗症の程度が強い方(ボツリヌストキシン製剤注射で効果が充分でない方)、ワキガ症のニオイが強い方に適した方法です。