☆常在菌と皮膚疾患の不思議☆/奈良・東大阪・京都・三重・和歌山
2017年1月15日 09:44みなさんこんにちは、ピュアメディカルクリニックの木幡です。
常在菌(じょうざいきん)という言葉。
聞いたことがありますでしょうか?
読んで字のごとく、常に在る菌です。
つまり、私たちの身体に常時付着している、誰でもどこにでも持っている菌、ということです。
この常在菌が、私たちが知るいくつかの皮膚病の原因であるとされています。
たとえば、ニキビ。
たとえば、フケ。
ニキビはアクネ菌と呼ばれる菌が原因とされています。
フケはマラセチアという真菌(カビ)の一種が原因とされています。
こういう菌が原因だ、と言われている中で昔から疑問に思うことが一つあります。
常に私たちが持っている菌なのであれば、なぜ全員かからないのでしょうか?
菌が何かの皮膚病の原因となるのであれば、アクネ菌を持つ私たちは全員ニキビが出来なければならず、マラセチアを持つ私たちはみなフケで悩まされなければなりません。
要するに私たちは
原因菌 → ○○ → 結果としての皮膚病
の「○○」が分かっていない、ということです。
というのは得てしてこの「○○」は、一つでなかったり、目には見えない現象だったりするからです。
例えば、「ニキビはストレスが原因だ!」なんてことを良く聞きます。
でも良く考えてくださいよ。
現代社会においてストレス無く生きている人の方が珍しいのではないでしょうか?
確かに、ストレスはニキビの一つの引き金なのかも知れません。
でもそれだけだったら、やっぱりみんなニキビができているハズです。
原因はストレスだけではないのです。
こういうマクロな考え方をしてしまうからいけないのかも知れません。
もっとミクロなレベルで考えれば色んなことが見えてくるのかも知れません。
恐らく、アクネ菌だってマラセチアだって、
「ニキビを作ってやるぞ、ヘッヘッヘ」とか
「こいつをフケで悩ませてやるぅ」
なんて思ってせっせと頑張っているわけではないハズです。
単純に、生きていくために、エサにありつくためにやっているだけでしょう、生物としての原始的なプログラムに則って。
本来であれば人間側だって、アクネ菌やマラセチアをのさばらせておくわけにはいきませんから、適切に対処をして皮膚トラブルの発症を防いでいるわけです。
それは何か人間の免疫機構が繊細な作業をもって行っているのでしょう。
そういう意味では腸内細菌だってそうです。
人間の腸内には何十兆という細菌が棲みついています。
一つ一つは有害なものもある中で、人間が調子を崩したりしなければ普段は不思議なバランスを保って共存しています。
これはなかなか今の人間の知恵で「なぜそうなのか」説明できる域ではないでしょう。
これとある意味似たことが人間の皮膚上でも起こっている、と考えれます。
私たちがまだ知り得ない、絶妙なバランスを普段は保っていて、何がしかの原因でその均衡が崩れた時に、ニキビが出来る・フケが落ちるということが起こる、ということです。
まだまだ知らないこと、本当にいっぱいありますね
こうしたこともまだまだあるんだ、と考えながら謙虚に診療しなければならないなぁとつくづく思うのでした。
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