☆プラセンタ注射の注意点:ハッキリさせておきましょう!☆/奈良・東大阪・京都・三重・和歌山
2016年9月18日 10:51みなさんこんにちは、ピュアメディカルクリニックの木幡(こわた)です。
今回は美容外科クリニックではすっかりおなじみのプラセンタ注射についてです。
もう効能・効果についてはみなさん十分ご存知だとは思うので他の機会に譲るとして、今回は注意点にフォーカスしたいと思います。
プラセンタ注射をクリニックに受けに行くと必ず言われるのが「献血は控えてください」です。
何故なのでしょうか?
「人の胎盤を使っているから」、という答えがすべてを物語っているワケですが、もう少し詳しく見てみましょう。
プラセンタ注射液の国内大手提供元である日本生物製剤のホームページを見てみますと、まずドナー、つまり胎盤提供者のスクリーニングから行っていることが分かります。
具体的には
・梅毒、HIV、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスすべてで陰性であること
・1980年1月以降、欧州7か国に6か月以上(英仏は1日以上)の滞在歴がないこと(狂牛病を念頭に)
次に提供胎盤について、次のウイルス検査を実施します
・B型肝炎ウイルスDNA、C型肝炎ウイルスRNA、HIV-1-RNAの核酸増幅検査
その上で製品にするにあたり、次の3つの滅菌処理を施します。
・アセトン(有機溶媒)滅菌
・消化酵素+酸による処理
・121℃20分間の高圧蒸気滅菌
最後に製品規格試験として下の5種類のウイルスについて陰性を確認します。
・B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、HIV、HTLV(白血病ウイルス)、 パルボウイルスB19(リンゴ病ウイルス)
と、ここまでやってやっと製品として出荷される、ということです。
ですからこの注射によって細菌やウイルスについては感染することはほぼ無いと言ってもいいでしょうし、実際のところ昭和49年発売以来、こうした感染症の報告は1例もありません。
ところが、クリニックの同意書には最後の方にかならず「変異型クロイツフェルトヤコブ病の伝播リスクは完全に否定できません」と書かれています。
これは何なのでしょう?
これは狂牛病を持つ牛の特定危険部位(脊髄・脊柱・舌と頬を除く頭部・回腸遠位部)を食べることで侵されると言われているプリオン病の一種で、アルツハイマーのような症状を引き起こす病気です。
プリオン蛋白と呼ばれるものが原因とされており、なかなか死滅させられないのです。
一応、132℃1時間の高圧蒸気滅菌をすれば1/1000以下にまで不活化させられることが知られていますが、それでもゼロになる、とは言い切っていません。
だから先の文章「変異型クロイツフェルトヤコブ病の伝播リスクは・・・」という但し書きがついてくるのです。
ただ、そもそもこの病気にかかったことのある人は日本人ではこれまで2005年にただ1人しかおりません。
しかもこの人はどうやらイギリスに渡航歴があり、そこで感染しているようなのです。
ですから実際に日本でこのプリオン病がそこそこ流行るところまで行く可能性はゼロに等しい(感染率は約10億分の1という試算があります(厚生労働省))のですが、ゼロではないから「献血はダメ」になるというなのですね。
と、色々書きましたが、こうしたデメリットよりもはるかに上回るメリットがあるのでどうぞ皆さん安心して受けてください。
内服で摂ることによって成長因子やサイトカイン、酵素、ペプチドホルモンは不活化されてしまうので、注射が断然オススメですよ
奈良以外でも、大阪・京都・三重・和歌山からも便利に来院いただけます。