☆「医者は現場でどう考えるか」☆/奈良・東大阪・京都・三重・和歌山
2016年9月 5日 11:47みなさんこんにちは、ピュアメディカルクリニックの木幡(こわた)です。
さあ、9月に入りました。
2016年もあと3分の1年です!
ピュアメディカルクリニックで仕事をするようになって8か月が過ぎ、この間アップしたブログが125件。
まあ正式にブログをスタートしたのは今年3月になるので実質書いてきたのはここ半年ということです。
そして今年に入り導入した治療が
・Qスイッチヤグレーザーによるシミ取り、ジェンビーム、トーニング治療(1月)
・ポリ乳酸製スレッドによる顔のたるみの糸リフト(1月)
・ウルトラセルのラジオ波、超音波によるたるみ改善治療(3月)
・目の下タルミ取りのBarton法(4月)
・鼻尖縮小術、鼻尖軟骨移植術(1月)です。
年内にあともう1個くらいあるかな?
と思っていますが、あんまり入れすぎると来年のネタが尽きてしまいそうで(笑)
この辺は考えながら進めないといけませんね
さて、最近読み終えたばかりの書籍のご案内です。
「医者は現場でどう考えるか」:How Doctors Think
ハーバード大学医学部教授ジェローム・グループマンが自分や同僚の経験をもとに、医師がどういう時に判断ミスを犯すかということを様々な方面から検証した内容を書いています。
例えばアメリカでは、医師は患者が自分の症状説明をしているのところを平均18秒で遮ってしまうそうです(日本でもあまり大差はないように思いますが・・・)。
そして直感で診断を下すわけですが、大抵の場合、この判断は正しかったりします。
ところが、これによって重大な病気が見過ごされてしまい、患者が最悪死に至るケースが出てくることもあります。
医師にとっての判断ミスは、時に致命的な結果を招くことがあるのです。
著者は自らがこのような例を体験したことを綴っています。
ある女性が、ずっと胸やけがすると訴えてきました。
胸部レントゲンを撮っても、心電図をとってみても何の異常も見つかりません。
逆流性食道炎(胃酸が食道に逆流して胸やけがするもの)と判断し、制酸剤を処方します。
しかし症状は収まらず、患者はヒステリックに何度も外来を受診します。
面倒な患者だな…、
と思いながら診断をひるがえさずにいると、ある時その女性患者が医師の勤める病院に救急搬送され、死亡してしまいします。
なんと、逆流性食道炎だと思っていた病状は実は大動脈解離(心臓から出ている大血管が裂ける病気)だったのです。
著者は、この女性患者が何度も何度も外来を受診するものだから「またこんなありふれた症状で何回も受診するなんて…」と思い、この胸やけの症状が何か他の病気が原因である可能性を全く考えなかったのです。
そして実は、医療ミスのほとんどは技術的なミスではなく、このような思い込みによる診断ミスによって起こっているのだそうです。
こうしたことから、どのような思考方法をとればこうした診断ミスを防げるのか、ということを筆者自らの例や同僚の例を用いて詳述しています。
医者も人間ですから、やはりその時の感情によっても判断は左右されます。
何かでミスをしでかした後は、同じ状況に対して慎重になり過ぎたり、逆に上手くいっている時は物事を軽く見過ぎたりするときもあるのです。
こうしたことは、私たち美容外科の領域でも大いに関係があります。
さすがに死亡してしまう、という状況に至ることは非常に稀ですが、それでも見た目に影響してくる施術ばかりですから、軽く見過ぎているととんでもない目に遭ったりすることもあります。
そして筆者はこうしたことを極力防ぐには、患者と医師の「対話」が大切だ、と主張しています。
医師だけでなく、患者も気を付けないといけない、と言っているところが面白いです。
というのは、患者のアプローチの仕方次第で、医師も患者を見る目が変わるからです。
しかし、それを引き出す努力をするのも医師の務めです。
美容外科であるなしに関わらず、患者・医師の対話はやはり大切なのです。
私共のクリニックでも、お客様に対する説明や聞き取りには時間をかけるようにしています。
少なくとも、それがお互いの「勘違い」を未然に防ぐ最良の方法だと思っているからです。
逆に長ったらしくてうっとおしがられるかも知れませんが、結果的にそれがすべてに勝る近道である、と気を引き締めてこれからも気を付けて診療をしていこう、と思わせてくれる一冊でした☆
奈良以外でも、大阪・京都・三重・和歌山からも便利に来院いただけます。