☆顔の左右差の考え方の一例☆(by ピュアクリニックDr木幡 /奈良・東大阪・京都・三重・和歌山)
2016年4月24日 12:06みなさんこんにちは、ピュアメディカルクリニックの木幡(こわた)です。
先日、ブログを見てご来院いただいたお客様に、「何かブログで書いて欲しいことはありませんか?」とお尋ねしたところ、タイトルにも書いたように「左右差で困っている場合はどうすればよいか?」というお題をいただきましたので考察してみたいと思います。
とりあえず顔だけに限定しないと果てしないトークになってしまうので、顔のみで考えます。
これ、実はものすごく広く深い話になります。
まず、生まれ持っての左右差があります。
例えば、左右の頬骨の幅や出っ張り、左右の眼球の突出や引っ込み、それによる開瞼(まぶたの開きのこと)の左右差、耳の形、といった具合にです。
そして、後天的に、つまり産まれた後から出来る左右差。
これは寝方、食事の際にどちらの奥歯で噛むクセが優位かによって出来るアゴの発達の左右差やそれに伴うタルミの出方の左右差、目をこするクセやコンタクトレンズ装用による眼瞼下垂で起こる目の開きの左右差、鼻の骨折などの怪我による鼻の曲がり、ウイルスによる片側の顔面麻痺などなど・・・。
こうした両方の要素によって左右差は形成されていきます。
それが気になるほど大きい場合もあれば、他人では分からないほどの場合もあります。
そしてその場所がどこであるかによって治し方のアプローチも異なってきます。
今回、お客様は眼瞼下垂、つまり目の開きが悪くなってきたことによる目の開き方の左右差のことをおっしゃっていたので、それに焦点を絞ってお話をします。
まず、問診上、後天的な眼瞼下垂が疑われる場合は、片側のみに起こっているケースなのか、両側に起こっているものの程度の大小に左右差があるケースなのかを診る必要があります。
片側のみに起こっていることなのであれば、そちらだけ治せば済む話なのですが、両側に起こっているのに程度の大小の違いによってそれを見過ごしてしまった場合、片側だけの眼瞼下垂の治療は治療をしなかった側の眼瞼下垂を悪化させます。
これは脳の勘違いによって引き起こされるもので、治療前には程度がマシだった側が、悪い側のみを治療してしまうと、脳がサボるようになってしまって治療しなかった側の眼瞼下垂は悪くなってしまいます。
まぶたの中を覗いてみると、下の図のようになっています(必要なこと以外は省いて描画しています)。
瞼の中央、まつ毛側には「瞼板」(ケンバン)という名前の、まぶたの骨格となる軟骨に似た硬さの構造物があって、その上の縁に付着する形で目を開かせる筋肉のスジに相当する「眼瞼挙筋腱膜」(ガンケンキョキンケンマク)というものが走行しています。
目のこすり過ぎや、コンタクトレンズ装用に眼瞼下垂は、この眼瞼挙筋腱膜が伸びてしまって目を開かせるための力がまぶたに伝わりにくくなっている状態です。
そこで、手術ではこの眼瞼挙筋腱膜をまつ毛方向に折り返す形で瞼板に縫い付ける、ということをします。
すると伸びきってしまった部分が縫い縮められる結果となり、まぶたの開き方が改善する、という仕組みです。
後天性の眼瞼下垂の原因は生活習慣によるところも大きいとは思いますが、なりやすい体質があるようにも思います。
明言しにくいのですが、何かお客様に共通するお肌質みたいなものがあるように感じます。
また、手術をしても戻りが発生したり、二重が浅くなってしまったことによって効果が少し落ちているように感じられることもあります。
こうなると再度手術する必要性が出てきますが決してお手軽な手術というわけでもないので二の足を踏む気持ちは良く分かります
今回は左右差の一例として眼瞼下垂を取り上げましたが、他にもいっぱいあります。
そして左右差はコンプレックスを引き起こしやすい一面もあります。
他人は案外そうは思っていなくても、自分は写真なんか撮ったときに気にしているそこに目が行ってしまう、そういう思いをしたことがある人は少なくはないはずです。
しかし、眼瞼下垂だけでもこれだけの字数が必要になってしまうので、他の例についてはまた別の機会に譲りたいと思います。それではまた次回☆
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